お手軽かんたん水彩画講座 第4回 透明水彩絵具について
こんにちは、たこくらです。
前回、水彩絵具についてのご紹介してきました。
学生時代に使っていた水彩絵具から、プロが使う水彩絵具の違いを説明していましたね。
今回は水彩画でよく使われる、「透明水彩絵具」について話をさせて頂ければと思います!
というわけで今回のテーマは「透明水彩絵具」です。
水彩画をあまり知らない・あまり描いたこのない人でも、これから水彩画にチャレンジしてみたくなるよう、水彩の面白さを伝えていきたいと思います。
透明水彩絵具とは何か?
前回触れていた「専門家用水彩絵具」の中に、透明水彩絵具と不透明水彩絵具の2種類があったと思います。
文字通り「色の透明度」の違いを表しています。
ではまず、「透明」とはどういうことなのかについてお話していきます。
透明とは?
皆さんが透明と聞いて、何が思い浮かびますか?
ガラス、ビニール、プラスチック、空気、水…。
身近に透明なものがたくさんありますね。
透明であると、物体が光を吸収しないため、背後の様子を見通すことができます。
もし仮に、水彩絵具が完全に透明だったら、色が無いということになります。
しかし、無色透明だからと目に見えないとは限りません。
例えば紙の上に水をこぼした時、水は無色透明でありながら、そこに水があることを認識することができます。
無色透明と言っても、水のように目で認識できたり、空気のようにほとんど目では認識できないものまで、さまざまです。
透明って結構掴みどころがないところがありますね。
さて次は、絵具の透明度とは何かについてお話をしていきたいと思います。
水彩絵具の透明度
まずは下の図を見てください。
鉛筆で描いた線の上にそれぞれ絵具を塗った結果を表しています。
透明水彩を塗った箇所は、鉛筆の線と絵具の色の両方を認識することができます。
それに対して不透明水彩を塗った箇所は鉛筆の線がほとんど見えず、絵具の色だけが見えているような状態になっています。
これが絵具の透明度の違いです。
透明水彩はセロファン紙のように下にある色を透かして発色する絵具です。
次に透明水彩同士重ねるとどうなるのかについて説明していきます。
透明水彩絵具の表現
まずは下の図を見てください。
左の場合、同じ色同士の塗り重ねによって色が濃く見えるのがわかります。
一方右の場合、違う2色が混ざって別の色が出来ているように見えます。
フォトショップなどを使われている方でしたらご存知かもしれませんが、「乗算」に近い見え方に例えられます。
下のレイヤーと上のレイヤーが組み合わさった色の見え方ですね。
透明水彩は基本的には下の色を覆い隠さず、下の色と絵具の色が混じり合い発色します。
透明水彩絵具の魅力・長所
先ほどお話したように、透明水彩は塗り重ねる事によって色が濃くなったり、別の色を表現することが出来ます。
そのため、薄く淡い色であっても塗り重ねることによって、深い色味を出すことが出来ます。
薄い絵具を幾重にも塗り重ねることによって絵に奥行きが生まれます。
例えば、前々回にご紹介させていただいたリンゴの描きかたの時に、リンゴの立体感を表現するために塗り重ねをしていました。
これらも透明水彩絵具の塗り重ねの効果によるものです。
また、ほとんど重ね塗りをせずあっさり描く方法もあります。
透明水彩は色自体がとてもピュアで澄んでいるのが特徴ですので、たっぷりの水と絵具を使って伸びやかに描くと、瑞々しさや軽やかさが出て、非常に水彩画らしい表現が出来ます。
透明水彩絵具の難しさ・短所
透明水彩絵具はその透明度を活かした塗り重ねや色味の美しさを活かした表現が出来るとお伝えしてきました。
そんな透明水彩にもちょっとした欠点もあったりします。
例えは最初に濃く暗い色を塗ってしまうと、後から明るい色を塗ってもあまり効果がありません。
だんだん色を濃くすることはできても、その逆が難しいのが透明水彩の特徴です。
もし、後から色を薄くしたり明るくするのであれば、水を含ませた筆で洗い落とすか、不透明水彩絵具を使うことになるでしょう。
明るく表現したい箇所はあらかじめ塗り残すか、淡い色のみ塗るようにして、濃い色を塗らないように注意しながら描かなければなりません。
よって、透明水彩絵具で絵を描く時はある程度完成図をイメージしてから制作する必要性があります。
とくに慣れないうちは、こういった難しさによって扱いにくさを感じる場合もあります。
直観的に感覚的に絵を描くというよりも、ある程度冷静になって計画的に絵を描くスタイルが透明水彩絵具を扱う上で必要になってきます。
透明水彩絵具のまとめ
透明水彩絵具の特性をまとめていきます。
1.塗り重ねによって色を濃く深くしたり、別の色味を表現することができる。
2.発色が美しく、瑞々しく軽やかな表現がしやすい。
3.濃い色の上に明るい色を塗っても効果が出にくい。
4.思い通りの表現をするためにはある程度経験が必要。
最後に
透明水彩絵具はとても魅力的な画材です。
塗り重ねをする際にルールがあったりして、最初は難しいですが、慣れると面白くなっていきます。
瑞々しさ・軽やかでありながら繊細で奥深い表現ができるのは透明水彩絵具の醍醐味です。
皆さんもぜひ、透明水彩絵具で絵を描いてみましょう。
描けば描くほど、だんだん虜になっていくかもしれません。
では今回はこのあたりで。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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